南海沿線のオススメかき氷5選
陽ざしがきらめく暑い夏が今年も到来!そんな季節に欲しくなるのは、ひんやり冷たいかき氷。今回は、南海線と高野線に分けて、おすすめのかき氷をそれぞれ3つずつご紹介。老舗茶舗が腕によりをかけた和のかき氷から、季節の完熟フルーツをたっぷり使った贅沢なフルーツ系まで、各店が創意工夫を凝らしたかき氷が、この夏ぜひ味わってみたい注目のラインアップです。身体の芯から冷やしてくれる、絶品かき氷で今年の夏を乗り切りましょう♪
なんば駅から、お茶文化が根付く堺やりんくうタウンのある泉佐野を通って、和歌山市駅までを結ぶ南海線。海岸線と並行するように走る沿線で見つけた、この夏絶対食べたいかき氷を3つピックアップ。
嘉永3(1850)年に堺で創業した老舗製茶問屋が手掛ける、築350年の町家を改装した茶寮です。美しい裏庭がある風情のある和の空間で、丁寧にいれる香り高い日本茶やお茶と相性抜群の特製スイーツ、茶粥のランチなどが楽しめます。
「市中の山居」というコンセプト通り、堺のまちなかにありながら山の中の庵で茶をいただいているかのような、ゆったりとした気分に。
通年で提供されているつぼ市名物「抹茶ミルク金時」。無重力と称されるほど軽やかな氷の秘密は、堺の職人による堺刃物をかき氷器の刃に使っていること。さらに、新鮮な氷をゆっくりと丁寧に削ることで、口に入れた途端にふわっと溶ける優しい食感を実現しました。
秘伝の抹茶蜜は、知識と経験豊富な茶匠が、かき氷のためだけに厳選した一番摘み抹茶を100%使用した自家製。小豆の風味をしっかりと残した粒あんが、たっぷりと惜しげもなくかけられた抹茶蜜の濃厚さをさらに引き立てています。
かき氷にはお茶がセットで付くのもうれしいポイント。抹茶や煎茶、ほうじ茶など、多彩なラインアップの中から好みをセレクト可能。冷たい煎茶はもちろん、かき氷で冷えた体には香り高くあたたかいほうじ茶も格別です。さらに、プラス料金で抹茶ラテなどアレンジメニューも楽しめます。
併設されているショップには、自宅用はもちろん、ちょっとした手土産にも喜ばれるオリジナルの茶葉が充実。用途や好みを伝えれば知識豊富なスタッフが相談にのってくれます。
茶寮 つぼ市製茶本舗 堺本館
住所:堺市堺区九間町東1-1-2
TEL:072-227-7809
営業時間:10:30~18:00(カフェは11:00~17:30LO※7~9月は17:00LO)
定休日:火曜(祝日の場合は営業)、年末年始
アクセス:七道駅から徒歩約15分
温かなご夫婦が営むアットホームなカフェ。
半地下になった居心地のよい空間で、時間を忘れてゆっくり過ごしたり、コーヒーの香りに癒やされたり、手づくりごはんやスイーツを楽しんだり…思い思いの時間が過ごせます。
夏シーズンは、遠方からもファンが訪れるという大人気メニュー「生桃氷」が登場します。
3年ほど前に提供をはじめた途端、爆発的にヒットし、毎年の定番になりました。
和歌山県の農家まで直接出向いて仕入れる旬の桃をたっぷりと使ったかき氷は、自家製の桃シロップが味の決め手。とろんと甘い桃を砂糖と一緒にしっかりと煮詰めることで、桃の甘みや風味をギュッと凝縮しています。
皮がするりと剥けるほどしっかり熟した大ぶりの桃1個を、注文を受けてからひと口大にカットし、自家製桃シロップとあえて、ふわふわのかき氷にたっぷりとトッピング。口に入れた瞬間に桃の濃密な甘みが口いっぱいに広がります。
かき氷の中には、ひんやりとした桃のジェラートをそっとしのばせてあります。
氷を削る工程では、自家製の桃シロップを何度も重ねがけすることで、シロップが全体にしっかりと染みわたり、食べ進めるうちに味が薄まってしまうことがなく、最後のひと口まで、芳醇(ほうじゅん)な桃の風味をじっくりと堪能できます。
「生桃氷」には、およそ桃3個分もの果実が使われているというから驚きです。
桃は、一定の温度が保たれた室内で管理され、食べごろになるまで丁寧に追熟されています。
その時期その時期で1番おいしい旬の品種を仕入れられるのは、桃の名産地として知られる和歌山県に近い立地だからこそ可能なこと。
出荷される限られた季節にしか出会えない、みずみずしくて甘みの強い桃ならではの特別なおいしさを、存分に味わうことができます。
papa mama cafe(パパ ママ カフェ) かくれ家
住所:泉南市樽井2−19−3
TEL:072-485-0518
営業時間:11:00~19:00(18:30LO、土曜、祝日は9:00~) ※かき氷単品の注文は14:00〜。ランチ注文の方はかき氷の提供あり。
定休日:日曜
アクセス:樽井駅から徒歩約17分
安政元年(1854年)に和歌山市で創業した老舗茶商「玉林園」が展開する和カフェ。
「お茶の魅力を多くの方に知ってほしい」と、お茶単体はもちろん、抹茶やほうじ茶を使ったさまざまなスイーツがそろいます。5~9月の夏季限定で登場するのが、「かき氷 もち抹茶」と「かき氷 もちほうじ茶」。
挽きたての抹茶やほうじ茶を使って手作りする特製氷蜜をたっぷりかけたかき氷に、とろ~り食感のもち風のソースと香ばしいきな粉をトッピング。
中には、自家製の粒あんやわらび餅、抹茶(またはほうじ茶)アイスが入っていて、食べ進めていくほどにいろいろな味わいが楽しめるようになっています。
抹茶やほうじ茶の味や色、香りを楽しんでほしいと、店頭には石うすを設置。挽きたての茶葉を使っているからこそ、香りの深みが段違いです。
かき氷のほかにも、ソフトクリームやどら焼き、パフェなどもそろいます。老舗茶屋による渾身のお茶スイーツは、日本茶の魅力を再発見させてくれるはずです。
KISHUCHAYA玉林園 キーノ和歌山店
住所:和歌山市東蔵前丁39 キーノ和歌山店2F
TEL:073-431-1167
営業時間:11:00~21:00(20:30LO)
定休日:1/1、キーノ和歌山店の休館日に準ずる
アクセス:和歌山市駅直結
閑静な住宅街エリアとして知られる帝塚山や、多くの人が乗り降りする堺東駅を経て、高野山までを結ぶ高野線。ビジュアル圧巻のフルーツ系やお寺でいただく和のかき氷など、3つを厳選してご紹介。
明るい日差しがたっぷりと降り注ぐ陶芸教室を併設したカフェです。
使用するカップや器は工房で制作したオリジナル。「おいしさはもちろん、見た目でも楽しんでもらいたい」と、シロップと同じモチーフの器やスプーンを、隣の工房で手作りしています。ほかにもスタッフが手作りしたアイテムが店内のあちこちに飾られています。
素敵なインテリアのなかで、自家焙煎コーヒーやカレー、デザートなどのメニューが楽しめます。4月末~10月上旬にかけて登場するかき氷は、約10種類と多彩なラインアップを誇ります。
定番人気の「スイカ」は、器はもちろんスプーンやスプーン置きまでスイカ柄で統一! テーブルに運ばれてきた瞬間、思わず笑顔がこぼれるような愛らしさです。
フレッシュなスイカの果汁とノンアルコールの赤ワインを合わせた自家製スイカシロップは、スイカの香りと風味が際立つ爽やかな味わい。
「地元を盛り上げていきたい」と近所の氷屋から仕入れる純氷を使ったかき氷に、スイカシロップをたっぷりとかけ、オーガニックレーズンをスイカの種に見立てて、スイカそのもののビジュアルに仕上げています。
かき氷のなかには、酸味と甘みのバランスが絶妙なパッションフルーツの果肉と爽やかなヨーグルトを合わせた自家製の特製シロップがたっぷりと入っています。
その上からフワフワに削った氷を丁寧に重ね、最後にフレッシュな風味が際立つスイカシロップをたっぷりとかけて完成です。
一口ごとに味の印象が少しずつ変化していき、パッションフルーツやヨーグルトの爽やかさが氷と混ざり合いながら、後味はすっきりと軽やかにまとまります。
店外の草木を眺めながら、ゆっくりと時間を過ごせるカウンター席のほか、小さな子ども連れでも安心して利用できる座敷席も用意されています。
1人でふらりと立ち寄るのはもちろん、友人同士や家族などグループで訪れても、落ち着いた雰囲気の中で思い思いにくつろげるのが魅力です。
森森舎(しんしんしゃ)
住所:大阪市住吉区万代東1-3-14
TEL:06-6696-6313
営業時間:11:00~18:00(17:00LO)
定休日:月・火・日曜
アクセス:帝塚山駅から徒歩約14分
厳選した素材を使った和洋スイーツに定評のある人気店。
天井が高く開放的な喫茶室では、看板商品のカステラを使った甘味から、モーニングや釜めしなどの軽食まで幅広いイートインメニューがラインアップ。暑くなる季節には5~9月末までの夏季限定で提供されるかき氷が人気です。「黒蜜きな粉金時」などの和テイストから、旬の果物を惜しげもなく使った期間限定のかき氷まで、約4~7種類がそろいます。
6月から登場した「宇治抹茶金時」は、最高級の宇治産抹茶をふんだんに使った人気メニュー。
時間をかけてじっくりと凍らせた純氷を少し溶かしてから削るフワフワ食感のかき氷に、上品なほろ苦さが印象的な特製抹茶蜜をたっぷりと。氷を削っては抹茶蜜をかけ、削ってはかけ、を繰り返すため、最後まで濃厚な抹茶の風味が楽しめます。品の良い甘みの粒あん、もちもちの白玉、プルプル食感の自家製抹茶寒天、抹茶アイスとトッピングも華やか。
ツルッとしたのどごしとほんのりした甘みが楽しめるわらび餅風ゼリー「利休の心玉(3個)」が、2025年からすべてのかき氷メニューに追加でトッピングできるようになりました。中に金魚が泳ぐゼリーは、見た目も爽やかで夏にぴったり。
千利休の茶室を復元した「朝雲庵」と季節の植栽が美しい庭園を眺めながら、ゆったりとした時間が過ごせます。お庭はスタッフに声をかければ散策が可能。3Fのテラスからは、世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」のひとつ「反正天皇陵」が一望できます。
江久庵(こうきゅうあん)
住所:堺市堺区北三国ヶ丘町1-2-36
TEL:072-222-2411
営業時間:9:00~18:30
定休日:木曜
アクセス:堺東駅から徒歩約7分
高野山にある武田信玄ゆかりと伝わる由緒正しい寺院で、ランチやカフェが気軽に楽しめます。
昔から受け継がれてきた伝統の精進料理は、その時期に旬を迎える新鮮な野菜をふんだんに使用した滋味深い味わい。季節のフルーツを使ったビジュアルも美しいスイーツや特製ドリンクも評判です。夏には、高野山散策の休憩のお供にぴったりな夏季限定のかき氷が登場。高野山の清らかな水を凍らせた氷は、すっきりとした爽やかな味わいが印象的です。
厳選した京都の宇治抹茶を使用した「特製抹茶氷り」は、甘すぎず上品な余韻が最高。
つやつやと輝く黒豆や栗の甘露煮、風味豊かな粒あん、モチモチ食感の白玉などが別添えで提供されます。別々に食べたり、かき氷と一緒に口に含んだり、自分好みに楽しめると評判。
そのほか、2025年は「桃ミルクかき氷り」や「紅茶かき氷り」など、7種類を提供します。
自然と背筋が伸びる凛としたたたずまいの寺院で、落ち着いた時間が過ごせます。四季折々の花々が彩る端正な庭も見どころのひとつ。
いつもと違った趣のある空間でいただくかき氷は格別です。高野山観光の際にはぜひ立ち寄ってみてください。
寺cafe 成慶院
住所:伊都郡高野町高野山293
TEL:0736-26-8437
営業時間:10:30~14:00(13:30LO)、カフェ14:00~17:00(16:30LO)、夜カフェ17:30~20:00(19:30LO) ※要予約、水曜はランチのみ
定休日:不定休
アクセス:高野山駅からバス「金堂前」下車すぐ
南海沿線には、見た目の楽しさはもちろん、素材へのこだわりや丁寧な手仕事が光るかき氷がいっぱい。カフェや寺院、茶寮などバラエティ豊かなお店で、趣の異なる味わいと出合えるのも魅力。電車に揺られて、涼やかな夏のごほうびを探しに、でかけてみてください。