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映画『ゴッドマザー 〜コシノアヤコの生涯〜』の
公開を記念して、
スペシャルインタビューを実施。
日本のファッション界を牽引したコシノアヤコさんの
波乱に満ちた生涯を描いた本作で、
主人公・コシノアヤコ役を演じたのは、大地真央さん。
ご自身初となる映画主演作への想いや、
撮影の舞台裏について、
たっぷりと語っていただきました。
このインタビューは、
南海電鉄の節目の年にあたる今年、
特別企画として実現したものです。
2025年5月25日。
ご自身が主演をつとめられた映画「ゴッドマザー 〜コシノアヤコの生涯〜」舞台挨拶の日。
エンドロールが流れ、鳴り止まぬ拍手の中で舞台に上がり、挨拶をされる大地さん。
あらためて「美しさ」とは何かを再認識させてくれるような、凛とした佇まいが本当に素敵。
大きな感動とともに無事終了したその後、我々が待つ取材スペースへお越しいただきました。

ゴッドマザーことコシノアヤコの物語
世界的デザイナーコシノ三姉妹を育て上げたゴッドマザー、コシノアヤコの生涯を綴る本作。
コシノアヤコ役には本作が映画初主演となる大地真央。三姉妹はそれぞれ黒谷友香(ヒロコ役)、鈴木砂羽(ジュンコ役)、水上京香(ミチコ役)が演じる。
激動の時代をしなやかに生き抜くマインドが、スクリーン越しにビシビシ伝わってくるような、現代人必見の作品。
/監督・撮影:曽根剛
profile/だいち まお
宝塚歌劇団トップスターとして活躍。退団後は、舞台を中心にCM、TV、映画、またリサイタルやディナーショーなど幅広く活躍。舞台代表作/風と共に去りぬ、サウンド・オブ・ミュージック、クレオパトラ、カルメン、楊貴妃 など。
5月23日公開の映画『ゴッドマザー コシノアヤコの生涯』では、世界的デザイナーであるコシノ三姉妹を育てた偉大なる母、コシノアヤコの生涯を演じる。
どこをとっても印象的なシーンの連続
アヤコさんの生涯を、精一杯演じさせていただきました

― まずは映画についてお尋ねします。演じられてみて、印象に残る点や、本作への想いなどをお聞かせください。
大地:
印象に残っているのは、15歳~92歳までを演じさせていただいた全てですね。
年代ごとに、その時々の想いがあって、印象に残っている場面の連続です。時代が移り変わっていく中においても、アヤコさんの「変わらない芯」の部分。それと同時に、しなやかに変わっていく様子。そういった彼女の生涯が描き出す「心の機微」にあふれた様を、2時間弱という限られた時間の中で私なりに精一杯、演じさせていただきました。彼女の魅力の一端でも表現できていれば嬉しい限りです。
一人の人間の人生を、
一人の役者が演じきることでしか生まれない意味
― 非常に幅広い役を演じきられたわけですね!はじめにオファーを受けられた際の心境、お伺いしてもいいですか?
大地:
舞台のお仕事では、演じる年齢に幅のある役柄も多いのですが、やはり映像作品ですから(笑)
「15歳!?私なんかがおこがましい!」という率直な気持ちもありました。けれど、「一人の人間の人生を、一人の役者が演じることにこそ意味がある」との想いをお伝えいただき、さらにアヤコさんの人柄を深く知るにつれ、「ぜひ、演じさせていただきたい」という想いが強くなっていったんです。
自分の人生を素直に、正直に生きているところ
それこそが、アヤコさんの魅力

― 本作が映画初主演、ということで、大地さんにとっても記憶に残る作品となるのかと思います。実際に演じられたアヤコさんの魅力、大地さんはどういうところに感じられましたか?
大地:
そうですね。太っ腹で豪快、なのに乙女心も忘れないキュートな一面も持ち合わせている。本当に「自分の人生を素直に、正直に」生きておられるところ。なんというか、「まっすぐで、情感豊かな内面」が溢れ出ているような人柄が、演じていて本当に魅力的に感じましたし、憧れますよね。
アヤコさんの心情を理解する上で
欠かせないまち、「岸和田」
― 映画冒頭にも登場しますが、この「岸和田」という街。大地さんにとって「岸和田」と言えば?
大地:
やっぱり、だんじり!(笑)情熱的で、活気があって。アヤコさんを知る上でも、このまちが持つ、まさに特有の魅力とも言える存在は欠かせませんでした。そして、岸和田弁。「だんじり魂、魅せたるわ!」というセリフはまさに、アヤコさんの人柄を垣間見ることができる一言だと思いました。
南海にとって。アヤコさんにとって。
そして大地さんにとって、新たな世界へのチャレンジとは?
― 「思い切って新たな分野へチャレンジする」という意味で、当時洋装の分野へ思い切って進んで行ったアヤコさん。彼女の挑戦の生涯は、140年前に「日本最初の純民間資本の鉄道会社」として歴史をスタートさせた弊社にとっても、非常に共感できる部分なんです。大地さんにとって、「チャレンジ」する際に心がけていることって、どんなことですか?
大地:
アヤコさんの言葉で、「何かを始めるのに遅すぎるということは無い!」というセリフ。これが私の中に印象深く残っています。どんな世界を生きる方にとっても、等しく「新たな世界に踏み出すチャンス」は巡ってくる。私にとっての今回のお仕事も、15歳から92歳までを映像で演じる、というのは正に新しいチャレンジでした。私自身が俳優として新たな役に臨む際に心がけていること、それは「その役を、どう生きるか?」という意識です。いかに気負うことなく、演じる対象の心に寄り添えるか。この人なら、どう考えるだろう。どう感じるだろう。そういう「演じる対象となる人の気持ち。それを私自身の心で受け入れ、響き合うような感性」が、私のチャレンジの傍にはいつもあるような気がしますね。
素晴らしい一人の女性の生涯。
かけがえのないメッセージを感じ取っていただければ。

― 最後に、ファンの皆様へのメッセージをお願いします。
大地:
アヤコさんから、そしてこの映画から、皆さんそれぞれに受け取るメッセージがあるかと思います。一人でも多くの方に、アヤコさんという素晴らしい女性の生涯から、かけがえのないメッセージを感じ取っていただければ幸いです。ぜひ、劇場にお運びいただき、ご覧いただきたく思います。