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まずは、南海高野線「堺東」駅から徒歩1分のところにある千べろ家 ザビエルへ。堺に縁が深いイエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルの名にちなんだ大衆居酒屋だ。
「安く飲んでもらいたい」と店長が話すとおり、とにかく安い。毎日11:00~20:00まで開催されている「プレミアムハッピーアワー」では、ドリンクが全品275円に。
料理も、枝豆が88円、揚げギョウザが165円、串も132円~など、激安のラインナップ。しかも、ただ安いだけはなく、オーダーが通ってから作る料理の数々は味の良さも支持されている。
1番人気の「朝引き鶏の肝刺し」は319円という値段ながら絶品で、リピーターが絶えない。コーヒーを1杯持ち帰れるサービスもあり、まさにサラリーマンのオアシスといえる。
次に訪れたのは、立ち呑み 歓(かん)。店内はカジュアルな小料理屋という趣で、アットホームな雰囲気だ。扉を開けると、看板娘のお姉さんが明るく出迎えてくれた。
カウンターにずらっと並ぶのは、色とりどりのおばんざい。定番の「どて焼き」や「お魚南蛮漬け」など、日本料理を修行した料理人が真心を込めて作る家庭的なおばんざいが毎日5~7種類提供される。
その他にも、刺身は旬の新鮮なものだけを厳選し、天ぷらは揚げたてを提供するなど、料理に絶対の自信あり。
あてが4品付く「ちょいもりセット(550円)」も1人飲みにはお得だ。季節や時期によって全国各地の銘柄が飲めるのも、日本酒好きにはたまらない。
最後にやってきたのは、花鳥風月。昭和感が漂う昔ながらの酒場だ。
唐揚げや麻婆豆腐、カボチャの煮物、菜の花の酢味噌、小松菜のおひたしなど、何が出てくるかはその日のお楽しみ。「自分がおいしいと思えるものを提供したい」という店長の言葉には、この場所で10年続けてきた自負がうかがえた。
一見、入りにくいタイプのお店に思われるかもしれないが、店長や常連さんたちとすぐに打ち解けられるのは花鳥風月の雰囲気ならでは。初めてでも友だち感覚で酒を酌み交わせるのは1人飲みにとって心強いかぎり。
みんなで乾杯し、堺東の夜は更けていった。
これだけ満喫して、予算3,300円(※)のハシゴ酒を無事完遂。酒場巡りに目がない人には、堺東をおすすめしたい。紹介しきれなかったお店がまだまだあるので、開拓してみてはいかがだろうか。
※チャージ料を除く
※2020年2月時点の記事です