犬鳴山のパワースポット!神秘的な自然の聖地にアクセス!
日本最古の霊場 として知られる七宝瀧寺、麓に広がる犬鳴山温泉、弘法大師も修行した行者の滝など、犬鳴山には歴史とロマンが詰まった見どころが満載。
本記事では、気軽にアクセスできる日本屈指の修験の聖地をご紹介します。
日本最古の修験道の根本道場として知られ、全国から修験者が集まる犬鳴山。
その歴史は古く、661年の斉明天皇の時代にまでさかのぼります。
犬鳴山は、修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれた『葛城修験二十八宿』のひとつ。
大小合わせて四十八の滝、岩や堂、祠などがいたるところに点在し、山内全体が一つの大きな行場となっているのです。
その中でも、ひときわ霊験があらたかなスポットが真言宗犬鳴派の大本山である七宝瀧寺。
倶利伽羅大龍不動明王をご本尊とするこの寺は、犬鳴山内の四十八滝のうち代表的な七つの滝に弘法大師が金銀などの七宝を祭祀され、七宝瀧寺と名付けられました。
七宝瀧寺を参詣すると、不動明王と七福神すべての加護が得られるともいわれています。
七宝瀧寺は一参拝で八人の神様の福が期待できる超パワースポットなのです。
日本昔ばなしを彷彿とさせる意味深な山号、犬鳴山。
想像にたがわず、その名の由来は、心を揺さぶられるような猟師と義犬の伝説にありました。
鹿を狩るために山に入った猟師は、愛犬が激しく吠え続けたためにもう少しのところで鹿を取り逃がしてしまいます。
そのことに立腹した猟師は、犬の首を刀で切り付けてしまいました。
しかし、飼い主から切り付けられて瀕死の重傷を負いながらも、犬は飼い主の傍らにいた大蛇に襲い掛かります。
愛犬がけたたましく吠えていたのは、大蛇から猟師を守るためだったのです。
やがて犬は大蛇とともに命を落とし、猟師は深い悲しみと罪の意識にさいなまれました。
弓を折って卒塔婆とし、愛犬の亡骸を丁寧に弔った後、猟師は僧となって七宝瀧寺に入ったのでした。
この一連の顛末を知った宇多天皇(889~898)が、忠義を尽くす義犬の話に心を打たれ、『一乗鈴杵ヶ岳』を『犬鳴山』と改めるよう勅命を下したといわれています。
飼い主と犬の悲しい逸話が残る犬鳴山ですが、現在もその犬の魂を弔うかのように日本全国から多くの参拝客や行者が訪れています。
修験の聖地としての印象が強い七宝瀧寺ですが、点在する行者の滝をはじめ、四季折々の自然の豊かな表情を見せてくれる渓谷など、水と緑があふれる景観の美しさはハイキング客を魅了してやみません。
神秘的な魅力に包まれた緑濃い森林は「大阪みどりの百選」にも選出されているほどです。
渓谷美を堪能しながら弘法大師ゆかりの滝をめぐり、山の麓の犬鳴山温泉郷でおいしい食事と良質の湯を楽しめば、普段の疲れが癒されること間違いありません。
また、七宝瀧寺内の修験会館では、修験道の秘宝や資料のほか、犬鳴山に関する仏像や法具などが多数展示されています。
天井には日本で初めての修験道曼荼羅が描かれており、歴史好きにはたまりません。
青銅製として日本最大の不動明王も一見の価値ありです。
このように七宝瀧寺には多彩な魅力が詰まっています。
七宝瀧寺は修験道の修行体験ができる数少ないスポットのひとつです。
葛城修験のもうひとつの聖地である吉野の大峯山が女人禁制なのに対し、七宝瀧寺は男女を問わず修行を体験することができることから「女人大峯」と呼ばれることもあります。
滝に打たれたり、山行場を歩いたりして、心を無にして自然に向き合う一日修行体験は、自分自身を見つめ直すまたとない機会となるはず。
修験道に興味がある人はもちろん、非日常的な環境に身を置いてみたい人、無我の境地を体験したい人などは、ぜひチャレンジしてみましょう。
ただし、体験といえどもあくまで修行。体力は消耗するため、万全に体調を整えることを忘れずに。
・日時:3月~11月の第3日曜日
・体験料:8,000円
・申込方法:10日前までに申し込みフォームかFAXにてお申し込み。事前予約必須。
倶利伽羅大龍不動明王の御宝前で行われる七宝瀧寺の護摩祈祷は、煩悩や世俗の穢れなど、いらぬものを炎で焼き尽くしてくれる神聖な仏事です。
七宝瀧寺では一年365日、護摩祈祷を受け付けており、家内安全や商売繁盛、良縁祈願など、それぞれの希望に合わせた祈祷を行っています。
一日修行体験をして身も心もリフレッシュした後に、護摩祈祷をすることも可能。
修行体験と祈祷を同日に行いたい場合は、体験申込時に忘れずに伝えましょう。
なお、祈祷の期間などによりお護摩の種類が異なるため、詳しくは問い合わせ時に確認してください。
また、御朱印が欲しい人は、御朱印帳を持参すれば本堂事務所で受付してくれます(300円)。
ただし、御朱印は参拝した本人のみ。頼まれ御朱印はNGなので注意しましょう。
七宝瀧寺までの主な行き方は、南海本線「泉佐野駅」から南海バスに乗る方法です。
・南海バス「犬鳴山」下車、山門まで徒歩で約400m、本堂までさらに徒歩で約1㎞
七宝瀧寺周辺には、駐車場が1箇所あります。
・本堂下の駐車場:50台(無料)
車での移動は混雑が予想されるため、早めの移動を心がけましょう。
泉佐野の市街地からほんの少し足を延ばした場所にある修験道の聖地、犬鳴山七宝瀧寺。
弘法大師の足跡が随所に感じられる日本有数の行場です。
数えきれない修験者が行き交った神秘の森を散策しながら古代ロマンに浸るもよし、一日修験体験で非日常を味わうもよし、楽しみ方は自由自在です。
七宝瀧寺をたっぷりと堪能してみてください。