KOYACOLORS〜2022.秋〜色鮮やかに染まる高野山へ紅葉を愛でに
もうすぐ紅葉シーズン!突然ですが、もみじ・カエデの見分け方をご存知でしょうか?実は、違いがあるんです。本記事では、もみじ・カエデの違いをはじめ、それぞれの見分け方や代表的な種類、庭木として考える際の選び方を解説します。
もみじとカエデは異なりますが、植物学上は同じ「カエデ属」に分類されます。もみじは「美しく紅葉する様」から、カエデは「葉の形が蛙の手に似ていること(蛙手⇒カエデ)」から、それぞれ呼ばれるようになりました。
なお、園芸や盆栽の世界では、下記のように区別しています。
・葉が小さめで切れ込みが深く、紅葉が美しいもの⇒もみじ
・葉が大きめで切れ込みが浅く、紅葉が目立たないもの⇒カエデ
日本のもみじは、イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジの3種類に大きく分けられます。
イロハモミジとヤマモミジは、切れ込みの数や葉の周囲のギザギザなど、見た目が非常に似ているため、違いがわかりづらいといわれています。
見分け方のポイントとなるのが場所。ヤマモミジは日本海側、イロハモミジは四国や九州を含めた太平洋側で多く見られる傾向にあります。
もみじといえば、葉のふちのギザギザを思い浮かべる人も多いでしょう。
イロハモミジとヤマモミジでは大小さまざまなギザギザが見られる一方、オオモミジでは小さいギザギザのみが並びます。
紅葉は秋のイメージが強いですが、その他の季節でも見ることができます。中には、春や夏に紅葉する品種や1枚の葉の中でグラデーションが見られる品種も。いつどんな色の葉が見られるのかは、もみじの品種だけでなく、気候や環境に大きく左右されます。
イロハモミジは、日本で最もよく見られる種類で、いわば紅葉の代名詞的な存在です。
福島県を境にした本州の西側で広く生息し、四国から九州にかけて広範囲に分布。樹高は10mに満たない小高木で、低山や里山の林内に自生しています。また、庭木として植栽されることも多い品種です。
葉の形がヤマモミジと似ているため、見分けが付きにくいですが、葉の裂けている数に注目しましょう。ヤマモミジが7裂もしくは9裂であるのに対し、イロハモミジは3裂から7裂です。
先述した通り、ヤマモミジはイロハモミジに大変似ています。ただ、分布するエリアが異なります。ヤマモミジは、北海道と、本州では青森県から福井県までの日本海側という「雪が多い地域」に広く分布。
日当たりが良く、昼夜の寒暖差が大きい場所に自生するヤマモミジは、葉の色づきが美しいといわれています。
オオモミジは、イロハモミジの変種。太平洋側に生息し、標高が高い場所に自生しています。
イロハモミジやヤマモミジよりも葉が大きいのが特徴。10cmほどに育つ葉は5~9裂で、ギザギザが規則的に並んでいます。
園芸でも高い人気を誇る品種です。
北米原産のサトウカエデは、カナダの国旗にも描かれています。高さは30~40メートルに達し、葉の長さは7~15センチとビッグサイズ。樹液を煮詰めたものがメープルシロップになるため、「サトウ(砂糖)カエデ」と名付けられました。
そんなサトウカエデが群生しているのは、兵庫県にある「最上山公園 もみじ山」園内の西側。紅葉の名所として有名です。最盛期には「もみじ山」の名のごとく、山全体が紅く燃えるように美しく染まります。
トウカエデは中国原産。江戸時代に日本に渡ってきたことから「トウ(唐)カエデ」と呼ばれています。
夏は緑色をしていますが、秋にはオレンジ色や黄色、真っ赤に紅葉することも。環境や気候によって色が変わるため、さまざまな色合いやグラデーションを楽しむことができる品種です。
北海道から九州まで広い範囲に分布するイタヤカエデは、葉にギザギザが無いのが特徴です。そのため、しなやかな印象を与えるビジュアルです。秋になると美しい黄色に紅葉します。
これまで見てきたように、もみじは色や形が多種多様です。葉の色合いや変化はもみじを選ぶポイントのひとつですし、葉の形次第で樹木全体の印象は大きく異なります。
春や夏にはどのような色の葉が良いのか、秋にはどんな紅葉が見たいのかなど、もみじを庭木として植えたいのなら、季節ごとに庭のイメージをしっかり持つようにしましょう。
ここでは、南海沿線で見られる紅葉スポットをご紹介します。
・高野山:
弘法大師によって開かれた眞言密教の聖地・高野山は、高い人気を誇る紅葉の名所。夜にはライトアップされ、幻想的な景色が感動を呼び起こしています。高野山の紅葉の見ごろの時期は10月下旬から11月中旬頃まで。蛇腹路や金剛峯寺の正門、壇上伽藍や英霊殿など、たくさんの紅葉スポットが点在しています。
・延命寺:
弘法大師・空海が地蔵菩薩を安置したのが起源とされている延命寺。河内長野市にあるこちらのお寺は、紅葉の名所としても名高く、見ごろを迎える10月下旬~11月下旬には多くの参拝者で賑わいます。空海が植えたとされる推定樹齢1,000年のカエデの巨木は圧巻。夕陽に映える美しさから「夕照もみじ」と呼ばれ、大阪府の天然記念物にも指定されています。
もみじやカエデは、秋はもちろん、1年を通して移り変わりを楽しめる樹木です。その色や形は、古くから日本で愛されてきました。紅葉を見れば、自然と心が癒やされることでしょう。
南海沿線には紅葉スポットが多数あります。ぜひ、足を運んでみてください。
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