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【グレーターミナミTRAIN】南出市長が語る泉大津の未来──食と農で紡ぐ“持続可能なまちづくり”

【グレーターミナミTRAIN】南出市長が語る泉大津の未来──食と農で紡ぐ“持続可能なまちづくり”

  • 2025.10.02
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【グレーターミナミTRAIN】南出市長が語る泉大津の未来──食と農で紡ぐ“持続可能なまちづくり”

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南大阪首長リレー企画の第2回に登場するのは泉大津市・南出賢一市長。KIX泉州ツーリズムビューロー理事長として広域連携を担いながら、地域の食文化やオーガニック農業の推進に力を注いでいます。空港との連携を通じて観光と暮らしを結び、子どもたちの未来を見据えた“医食同源・身土不二(しんどふじ)”の理念をまちづくりに根付かせる泉大津の挑戦を、市長の言葉から紐解きます。

目次

南大阪首長リレー Vol.2|泉大津市 南出市長インタビュー前編

食と人がまちを育てる。泉大津から広がる希望の連携

南大阪の自治体同士が地域の魅力と未来への展望を語り合う連載企画「南大阪首長リレー」。第2回は泉大津市・南出賢一市長が登場。関西国際空港との連携を軸に、泉州の観光戦略、オーガニック農業による食のまちづくり、移住者との共創、そして地域に根ざす人の温もりまで——泉大津の現在と未来を、つくも株式会社CEO石川氏(元関西エアポートオペレーションサービス代表取締役社長)との対話を通じて、前後編の2回に分けて紐解きます。地域の可能性を育む“食”と“人”の力に、今、光が差し込んでいます。


千代松市長

千代松市長からのバトンを受けて——泉州の未来をつなぐ役割

石川氏:今回は泉佐野市・千代松市長からのバトンを受けてのご登場です。
南出市長は、KIX泉州ツーリズムビューローの理事長として、泉州地域の観光振興に新たな視点をもたらすことが期待されています。泉州全体の地域連携や広域戦略について、どのようなビジョンを描いておられますか?

南出市長:泉州は一つの都市ではなく、文化も風土も異なる多様なまちの集合体。だからこそ、連携の力が問われるんです。千代松市長からのバトンは、泉州の未来をつなぐ責任そのものだと感じています。

理事長としての南出市長は、泉州地域の市町がそれぞれの個性を活かしながら、関西国際空港を起点に国内外へ魅力を届ける仕組みづくりに取り組んでいます。



地域の魅力を乗せて走る「グレーターミナミTRAIN」

石川氏:9月に開催される観光企画「グレーターミナミTRAIN」では、泉大津市の海鮮料理店『みかん』の“わがどん”が登場しますが、この企画を通じて、泉大津市のどんな魅力を発信したいとお考えですか?また、地元の食文化や人の温かさ、あるいは海とのつながりなど、メッセージは、ありますか?


海鮮料理店『みかん』のグレーターミナミTRAIN特別丼“わがどん”

海鮮料理店『みかん』のグレーターミナミTRAIN特別丼“わがどん”


南出市長:このイベント列車の車窓から一駅ごとに表情が変わる泉州地域の面白さを体感してもらいたい。イベントを通じて、地域の魅力を五感で味わってもらえる機会になるはずです。南海電鉄は地域住民と観光客が交わる「接点」となる。電車に乗るという日常の行為が、特別な体験に変わる。泉大津はもちろん、南海沿線全体の魅力を乗せて走るこの企画はいいですね。



空港と地域がつながるとき、観光は暮らしになる【関西国際空港との連携】

KIX泉州ツーリズムビューローでは、泉州の食文化や体験型コンテンツを軸にした旅行商品の開発が進められています。

石川氏: KIX泉州ツーリズムビューローをつくったとされる関西国際空港は泉州地域の玄関口でもあります。 空港との連携を通じて、泉大津市としてどのような観光・交流の可能性を広げていきたいとお考えですか?海外からの来訪者に向けた南大阪の魅力発信について、具体的な取り組みがあれば教えてください。


南出市長:観光は、暮らしの延長線として捉えています。訪れた人が“泉州”という言葉を自然に口にするような、そんな地域になっていけたら嬉しいですね。関西国際空港という世界への玄関口と連携することで、泉州の食や暮らしの魅力を、旅の入り口から届けられるようになりました。SNSで発信された一枚の写真が、次の旅人を呼び込む、そんな循環を生み出し、観光が暮らしと地続きになるような地域づくりを目指しています。


石川氏:そうですね、泉州の魅力は、決して派手ではないけれど、暮らしの中に息づく文化そのもの。空港との連携が、その静かな豊かさを世界へと届ける架け橋になりますね。

泉州の魅力は、派手さではなく、丁寧な暮らしの中にある。空港との連携は、その魅力を世界に届けるための確かな手段です。



「医食同源」「身土不二」——オーガニック農業アカデミーが育むまちの哲学

泉大津市では、農地面積が市域のわずか2.9%という制約の中で、全国の自治体と連携しながらオーガニック農業を推進しています。特に力を入れているのが「金芽米」の導入と、2023年に開講した「オーガニック農業アカデミー」です。

石川氏: 泉大津市では、オーガニック農業の振興に力を入れておられますね?オーガニック農業アカデミーは、地域の食文化や持続可能な暮らしへの大きな一歩です。この取り組みの背景と今後の展望について教えてください。また、泉大津ならではの「食」の魅力をどのように発信していきたいとお考えですか?


オーガニック農業アカデミーのチラシ

「医食同源」「身土不二」泉大津市の取り組みオーガニック農業アカデミーのチラシ


南出市長:旭川から石垣まで、全国9つの自治体と連携協定を結び、妊婦さんや子どもたちの給食に減農薬・有機米を提供しています。理念は「医食同源」 と「身土不二」。食べ物が体をつくるという考え方を大切にしています。泉大津は農地が少ないからこそ、全国とつながりながら、地域の食を守る。それがまちの持続可能性につながるんです。


石川氏:「医食同源」や「身土不二」といった思想が、泉大津市のまちづくりにどう根付いているのか。単なる農業技術の習得にとどまらず、地域の哲学として育まれている点に強く惹かれました。オーガニック農業アカデミーが、食と地域の未来をどう描いているのか、現場でじっくり取材してきます。

泉大津市が取り組むアカデミーでは、農業の技術だけでなく、『「身土不二」という思想は、人そして土地のものを食べてこそ健やかに生きられる』ということを軸に、地域と食のつながりを学ぶ場を提供しています。

今回は、そんな「オーガニック農業アカデミー」の取材に行ってきました。

泉大津オーガニック農業アカデミーに行ってオーガニック野菜をつくろう!

西洋ニンジンの播種(はしゅ・種まき)」の実践

西洋ニンジンの播種(はしゅ・種まき)」の実践



講師の仲野忠史さん

講師の仲野忠史さん



「泉大津市」と「JAいずみの」は、食と農を通じた持続可能な地域づくりに向けて包括連携協定を締結しており、それに基づき「オーガニックアカデミー」を開催しています。この取り組みは、同市でオーガニック野菜の栽培を目指す農業者や、新規就農を志す方を対象にしたオーガニックに特化した農業アカデミー(有機農業塾)で、オーガニック栽培技術に関するノウハウを持つ専門家を招いてオーガニック野菜の栽培方法に関する座学と農園での栽培を実践しています。
期間は2025年7月上旬から2026年3月下旬までで、フォローアップ研修が2026年4月から6月までと予定されています。


テープシーダー機を使って播種作業を行う受講生たち
テープシーダー機を使って播種作業を行う受講生たち

テープシーダー機を使って播種作業を行う受講生たち

テープシーダー機を使って播種作業を行う受講生たち


8月17日(日)午前9時から、泉大津市内の農園で「西洋ニンジンの播種(種をまくこと)作業」が行われました。受講生は、講師の仲野忠史さんから、土ならし、溝掘り、播種、覆土などの、播種作業を学びました。さらに、これら播種作業を一体的にできる軽量小型の播種機(手押式テープシーダ―機)の使い方についても説明を受けました。
続いて土壌づくりにおいて、農地を耕すのに欠かせないのが「トラクター」。農作業の効率化、省力化に役立ちます。この日はトラクターの基本的な機能から運転の仕方など、受講生らは実際にトラクターに乗って学びました。また、受講生からは、購入費用などの相談もありました。

体に優しい環境づくりがはじまっている泉大津市


子どもの将来を考えて泉大津市に移住した赤石さん夫婦


受講生の赤石さん夫婦は2年前に泉大津市に移住しました。「泉大津市の学校給食では有機米が導入されており、食育と健康教育を一体的に進める取り組みに感銘を受けました。子どもたちの体に配慮した環境が整っていることが、移住を後押ししてくれました」と、2人のお子さんを育てる赤石さん。

今回のオーガニックアカデミーには「健康のために安全性の高いオーガニック野菜の栽培や実習を本格的に学びたい」と、受講を決めたそうです。


オーガニックアカデミー事務局

JAいずみの営農経済部 オーガニックアカデミー担当

JAいずみの営農経済部
オーガニックアカデミー担当

電話番号:
072-444-8001(平日9:00~17:00)



取材の様子はこちら



泉大津市が推進するオーガニック農業による食のまちづくりに関するお話はいかがでしたか?次回も引き続き、泉大津市の南出市長に「食」を軸にした、7世代先を見据えた健康や暮らしのあり方等をお伺いします。次回もお楽しみに!


次回の記事はこちら

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