KOYACOLORS〜2023.春〜春の訪れを感じに高野山とふもとへ
標高約800mに位置する高野山は、暑い季節もひんやりと涼しい天空の避暑地。山上では7月9日まで弘法大師の御誕生1250年を祝う記念法会が行われているほか、高野山やその麓では夏の風景や花々に出逢えるなど、今こそ訪れたい魅力もいっぱいです。街中の暑さを忘れさせてくれる高野山と麓を巡る旅へでかけてみませんか。
薄暗い空間の静寂をかき消すように、壮大に流れ落ちる水の音が聞こえてくるような襖絵「瀧図」。
この作品は、高野山真言宗の総本山・金剛峯寺の中にある大主殿「囲炉裏の間」にあり、世界的に活躍する日本画家・千住博画伯が高野山開創1200年を記念して奉納されました。黒群青を背景にして白い滝が流れ落ち、細かな飛沫を上げる様子が全長25m以上という圧倒的なスケール感で描かれ、その前に立てば、まるで全身にマイナスイオンを浴びているかのような気分に。
夏でも冷ややかな囲炉裏の間の空気感もあり、ひとときの涼を感じられます。
DATA
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山132
拝観時間:8:30〜17:00(受付16:30まで)
拝観料:中学生以上1,000円 小学生300円 未就学児無料
TEL:0736-56-2011
アクセス:高野山ケーブルカー「高野山」駅からバス「金剛峯寺前」下車すぐ
壇上伽藍とともに高野山の信仰の中心であり、弘法大師が御入定されている聖地でもある「奥之院」。一の橋から御廟までの約2kmの参道には、樹高30m以上の杉木立の中に諸大名の墓石や祈念碑、慰霊碑などが立ち並び、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
冬の間はどこか寂寥感のある参道も、春から夏にかけては風景が一変。美しい緑色の葉を茂らせた木々に囲まれた遊歩道のような趣になり、木々の合間を吹き抜ける清々しい風も夏の暑さを忘れさせてくれます。森林浴気分で参道を歩けば、気分爽快。森からのパワーをたっぷりチャージしましょう。
DATA
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山550
参拝時間:燈籠堂 6:00~17:00
御供所 8:00~17:00
TEL:0736-56-2011
アクセス:高野山ケーブルカー「高野山」駅からバス「奥の院口」「一の橋口」下車すぐ
夏の極楽橋駅を彩るのは見た目も涼しいガラスの風鈴。高野山を訪れるお客さまに“夏の風情”をお楽しみいただくために飾られた風鈴には、南海沿線の子どもたちや駅を訪れた方々が願い事をつづった短冊が結ばれています。
カラフルな短冊が吊られた風鈴がずらりと並ぶ風景もフォトジェニックで、撮影スポットとしても人気を集めています。設置期間は6月28日(水)〜8月22日(火)まで。
DATA
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山国有林
アクセス:南海高野線「極楽橋」駅構内
丹生都比売神社は、高野山の地主神である丹生明神(丹生都比売大神)と、その御子で弘法大師を高野山へ導いたという狩場明神(高野御子大神)をはじめ、四柱の神を祀る紀伊国一宮。毎年6月30日には無病息災を願う初夏の風物詩「夏越大祓式(なごしのおおはらえしき)」が行われます。
この神事は、知らないうちに自らに受けた穢れを人形(ひとがた)に移して祓い清めるという平安時代から続く由緒あるもの。また、古来疫病の多く発生した夏を無事に越すために行われてきた茅の輪くぐりをすることで、これからの半年の息災を祈願すれば、身も心もすっきり清々しい気分になれます。
茅の輪は6月中ならずっと参道に設置されているので、自由にくぐることができます。また、8月11日〜15日には、14時からの約20分間、夏季の本殿特別拝観も開催されます。さらに、夏限定の御朱印の頒布(頒布期間は8月中旬まで。なくなり次第終了。)もあるなど、この季節に訪れたい楽しみも満載です。
DATA
住所:和歌山県かつらぎ町上天野230
参拝時間:いつでも可(授与所8:45〜16:30)
TEL:0736-26-0102
アクセス:南海高野線「九度山」駅からタクシーで約20分
南海高野線橋本駅〜紀伊清水駅間の線路沿いに、今年もヒマワリが咲き誇る季節が到来。南海電鉄が推進する「こうや花鉄道プロジェクト」の一環で、地元のボランティアと協働で沿線の花スポットに今年も約120本のヒマワリを植栽し、元気な花を咲かせています。
青い空と黄色のヒマワリ、そしてカラフルな電車との共演は、今では夏の風物詩に。電車の車窓から眺めたり、途中下車して写真撮影したりと、花を愛でに訪れてみませんか。開花時期は7月中旬〜8月初旬まで。
DATA
アクセス:南海高野線「橋本」駅〜「紀伊清水」駅間
慈尊院の近くにある紀州髙野紙伝承体験資料館「紙遊苑」では、毎年恒例となった「アサガオ展」が開催されます。
平成21年(2009年)から開催されているこの催しでは、大輪朝顔や変化朝顔を含め約30種類を展示。濃い紫に白い筋が入る巨大輪咲きの「江戸むらさき」をはじめ、赤や白など色とりどりのアサガオが爽やかな夏の風情を届けてくれます。
また、紙遊苑では弘法大師が伝授したと伝わる髙野紙の手漉き和紙体験ができる施設。アサガオ鑑賞とともに、風雅な体験を楽しんで、特別な夏の思い出を残してみては。アサガオ展は7月22日(土)から8月13日(日)まで開催予定。
DATA
住所:和歌山県九度山町慈尊院749-6
開館時間:9:00〜16:30
休館日:月・火曜日(祝日は開館)
TEL:0736-54-3484
入苑料:無料(手漉き和紙体験は有料、要予約)
アクセス:南海高野線「九度山」駅から徒歩約25分
現在、高野山では宗祖弘法大師御誕生1250年記念大法会「いのちよ輝け〜大師のみこころと共に〜」が執り行われています。 令和5年(2023年)は弘法大師がお生まれになって1250年という記念すべき年になり、期間中はお大師さまのご誕生を祝う記念法会を執行します。
また、通常は非公開の金剛峯寺の御本尊・弘法大師坐像の特別公開「金剛峯寺持仏間本尊御開帳」や、普段は小窓からのみ拝観できる伽藍の諸堂内部を開扉する「伽藍諸堂開扉」も実施。さらに、御誕生法会記念の特別御朱印の授与が受けられるなど、記念すべきこの時期ならではの参拝にぜひお出かけください。
DATA
開催日:7月9日(日)まで
※金剛峯寺持仏間本尊御開帳は9月1日(金)まで
会場:金剛峯寺(和歌山県伊都郡高野町高野山132)
TEL:0736-56-2012(高野山真言宗 総本山金剛峯寺 宗祖弘法大師御誕生1250年記念大法会事務局)
アクセス:高野山ケーブルカー「高野山」駅からバス「金剛峯寺前」下車すぐ
※別途拝観料などが必要な場合もあり
国宝 諸尊仏龕 金剛峯寺所有【3・4期展示】
弘法大師御誕生1250年を記念し、弘法大師ゆかりの名宝や文化財を展示する特別展を開催。
今回は、弘法大師が仏教の道に進むことを表明した24歳の時の自筆文書「聾瞽指帰(ろうこしいき)」、中国から請来されたと伝わる枕本尊「諸尊仏龕(しょそんぶつがん)」といった国宝のほか、弘法大師が唐から投げ、高野山に飛来したと伝わる重文「飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)」を含めた“高野山三大秘宝”が特別に公開されます。
また、弘法大師が入定されてからも大師のもとに奉納された文化財も合わせて展示。数々の貴重な品々を通して、弘法大師御誕生からの足跡を辿れる貴重な機会です。
※4期に分けて展示内容が変更(1期はすでに終了)。
DATA
開催日:2期7月9日(日)まで、3期7月15日(土)〜8月27日(日)、4期8月29日(火)〜10月9日(月・祝)
開催時間:8:30〜17:30(入館は17:00まで)
休館日:7月10日(展示替えのため臨時休館)
会場:高野山霊宝館(和歌山県伊都郡高野町高野山306)
TEL:0736-56-2029
アクセス:高野山ケーブルカー「高野山」駅からバス「霊宝館前」下車すぐ
拝観料:一般1300円、高校生・大学生800円(※学生証提示必要)、小学生・中学生600円
吟味した白ごまと吉野葛、深山から湧き出る岩清水を原料に、伝統の製法で作るごまとうふの名店「角濱ごまとうふ総本舗」が、今年3月に新店の小田原店をオープン。新メニュー「ごまとうふ懐石 五彩」(2200円)が人気を呼んでいます。
その内容は、特別な法要などに飾られるお寺の五色幕にヒントに、仏教の「五色」・味を表す「五味」・調理法の「五法」を掛けわせ、それぞれ異なる色や調理法を楽しみながら、ごまとうふを5種類の料理で味わうという趣向に。料理は、「ごまとうふ湯葉巻の市松揚げ」や「柚香る京湯葉包み蒸し」「焼きごまとうふ」など、これまでにない新しい食べ方も提案され、五感で楽しむことができます(五彩には、龍神マッシュの茶碗蒸しやご飯、お吸い物もセット)。
また、客席はカフェ風のモダンな雰囲気になり、店頭ではごまとうふなどを購入できるショップスペースも。階下にはお庭を眺めながらゆっくり過ごせる個室なども用意されています。
DATA
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山729
営業時間:9:00〜17:00(ランチは11:00〜16:00LO、カフェは16:30LO)
定休日:不定休
TEL:0736-26-8895
アクセス:高野山ケーブルカー「高野山」駅からバス「小田原通り」下車 すぐ
今年4月にオープンした「天風てらす」は、カフェやセレクトショップ、ワークショップスペースが併設された複合施設。「はるばる高野山に来られた方たちに、和歌山の食材や地場産業から生まれる名産品を通して、高野山と地域の魅力を発信したい」という思いから誕生しました。
1階のショップでは、高野槙を使った石鹸や入浴剤をはじめ、和歌山県の生産者がこだわりを持って作る食品などがずらり。橋本市やかつらぎ町で栽培される地域ブランド「高野山麓精進野菜」など地元野菜や、毎日お店で手作りする「天風てらすぷりん」(430円)、「ヴィーガンてぃらみす」(480円)といったスイーツも販売されています。
また、大きな窓のある開放感たっぷりの2階は、地元素材を使ったヴィーガンメニューも楽しめるカフェに。おすすめは「特製クラフトバーガー」(1570円)。パテは大豆ミートかビーフが選べ、ヴィーガンにも対応。米粉を使ったバンズ、和歌山名物の金山寺味噌のソースなど、食材にもしっかりこだわったその味は、素材のおいしさが引き出され、食べ応えも満点。
他にも、高野豆腐入りキーマカレーと高野山麓採れたて野菜サラダがセットになった「ヴィーガンカレーセット」(1480円)などもあり、高野山ランチがますます楽しくなりそうです。
DATA
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山53
参拝時間:11:00〜17:00(ランチは14:00LO、カフェは16:00LO)
定休日:火曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)
TEL:0736-25-6012
アクセス:高野山ケーブルカー「高野山」駅からバス「玉川通り」下車 徒歩約1分
※通常作業中は異物等の混入を防ぐためガウン帽子を着用
日本一の山椒の産地といわれる和歌山県有田川町の清水地域。ここで採れる「ぶどう山椒」は、爽やかな香りと清冽な辛みが特徴で、希少性も高いことから“緑のダイヤモンド”とも呼ばれています。
「平野清椒庵」は地元の生産者たちが手間暇を惜しまず仕上げた本物の味を、高野山を訪れた多くの人に伝えたいとオープンしました。店内で丁寧に石臼挽きにする山椒の香りの良さに驚かれる方も多いそうです。
商品は、「山椒」(4g入り880円)をはじめ、鹿児島県の喜界島で育ったミネラルたっぷりの国産唐辛子を使った「一味」(5g入り760円)なども揃い、どれもかわいい缶でお土産にも最適。また、店頭では山椒をトッピングして味わう「わらび餅ソフト」(600円※数量限定50個)や「ソフトクリーム」(400円)といったデザートも。山椒の爽やかな風味がソフトクリームの甘さとマッチし、今まで体験したことのないおいしさに出会えます。
DATA
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山733
営業時間:9:00〜17:00
定休日:月曜日
TEL:0736-56-2777
アクセス:高野山ケーブルカー「高野山」駅からバス「苅萱堂前」下車すぐ
橋本市で創業80年になる氷屋「遊佐氷室」では、12年前から店頭でかき氷を販売し、地元の夏の風物詩になっています。
地下150mから組み上げた三重の天然水を使った雑味が一切ない透明な氷を用いて、丁寧に削り出すかき氷は、驚くほどふわふわ。「しかも、ゆっくり時間をかけて凍らせた氷なので、少々時間が経っても溶けにくく、水っぽくならないんですよ」と話すのは、店主の越山好さん。
シロップに関しても、越山さんが納得いくまで探したものを取り揃えていて、ミカンや桃、黒蜜、ひき茶など、15種類の味をラインアップ。「気軽なおやつ感覚で食べてほしいから」と、子ども向きの甘い蜜がかかったかき氷は300円、本格的な味わいの絶品かき氷は400円というお手頃な価格も魅力です。その中でもオススメなのが、果肉入りのフルーツソースに練乳をプラスした「スペシャル」(700円)。
暑い季節にピッタリな夏のスイーツを楽しみに訪れてみては。かき氷の提供は、5月頃〜10月初旬まで。冬は焼き芋を販売。
DATA
住所:和歌山県橋本市東家4-15-1
営業時間:12:00〜18:00(月曜日のみ15:00~18:00)
定休日:火曜日、不定休
TEL:0736-32-9368
アクセス:南海高野線「橋本」駅から徒歩約7分
高野山(「極楽橋」駅)へは、「なんば」駅から 特急こうやで約90分(急行で約110分)
天下茶屋駅への行き方
南海空港線「関西空港」駅から「天下茶屋」駅は特急ラピートで約30分 (急行で約40分)
南海本線「和歌山市」駅から「天下茶屋」駅は特急サザンで約55分
極楽橋駅への行き方
南海高野線「天下茶屋」駅から「極楽橋」駅は特急こうやで約80分(快急で約95分)
南海高野線「天下茶屋」駅から「橋本」駅は急行で約45分・「橋本」駅から「極楽橋」駅は各停で約50分
「極楽橋」駅でケーブルカーに乗り換えて「高野山」駅へ(「極楽橋」駅から「高野山」駅はケーブルカーで約5分)、「高野山」駅から高野山内へは南海りんかんバスをご利用ください。
※所要時間は目安です
南海電鉄にはお得なきっぷがいっぱい!発売駅から高野山駅までの往復乗車券に、高野山内バスのフリー乗車券が付いた「高野山・世界遺産きっぷ」・「高野山・世界遺産デジタルきっぷ」や、南海りんかんバスをお得に利用できる各種きっぷがございます。
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