【グレーターミナミTRAIN】高野線を丸ごといただく笑顔のフルーツ列車「あまもん列車」に乗ってみた
気持ちのいい秋晴れとなった9月27日、南海電鉄「なんば駅」をスタート地点として、1日限定の特別列車が運行しました。大阪府南部の泉州と南河内(グレーターミナミ)の魅力を食で巡る「グレーターミナミTRAIN」。午後の部は、果物王国・南河内で育ったフルーツをスイーツやドリンクで楽しむ「あまもん列車」が都市と聖地をつなぐ高野線を駆け抜けました。この記事では、約100人が参加した当日の様子をお届けします!
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▶午前の部「わがどん列車」のイベントレポートはこちら
初登場!特別車両「あまもん列車」に高まる期待感
今回「あまもん列車」の特別仕様となったのは、6000系「復活デザイン車両」モハ6001。1962年から高野線で運転を開始し、60年以上活躍しているステンレス車両です。現存する車両(特急車両を除く)では唯一、片開き方式のドアを採用した車両であり、多くの鉄道ファンから「無塗装で復活を」との要望があって 2023年にステンレス無塗装の車両が復活しました。武骨ながらもどこか昭和の懐かしさを感じるレトロな雰囲気を活かしながら、車内をあまもん列車のコンセプトである山と緑のイメージに演出。先頭には特別仕様を示すヘッドマークを装着し、全席指定の6両編成でなんば駅を出発しました。
いつもの通勤や通学で乗る電車とは異なり、参加者は片側座席のみを使用。その前にはテーブルが配置され、飲食もできる特別車両に様変わりしています。車掌ブースで車内アナウンスを担当するのは、テレビなどで活躍する浪曲師の春野恵子さん。発車の合図とともに、春野さんの明るく軽快なトークが全車両に流れました。 開催にあたり、主催の大阪商工会議所グレーターミナミ推進委員会・委員長である、南海電鉄代表取締役会長の遠北光彦から「大阪都心の南部と大阪府南部の泉州・南河内を一体的な都市経済圏として活性化させようと、2019年から始まった取り組み。今回は食の魅力をまとめて味わう列車旅を企画しました」と挨拶がありました。グレーターミナミ推進委員会と南海電鉄がコラボした初の観光列車です。
沿線の魅力は食にあり!フルーツ大福で高まる旅情
往路は、なんば駅から林間田園都市駅までの約35分間。高野線は都会の賑わいを抜け出し、山岳信仰の聖地へといざなう路線。大阪の下町や住宅街を走り抜けて進むと、街並みが少しずつ緑豊かに変化していきます。
そんな中、まず参加者たちに提供されたのは、四半世紀にわたり地元で愛される和菓子の名店「御菓子司 吉乃屋 松原」のフルーツ大福とお茶のセットです。車内アナウンスでは、店主であり和菓子職人の中西信治さんが、マスカットなど沿線を代表するフルーツを紹介。そんな美味しい話に耳を傾けながら、参加者たちの前に並ぶのはもちろん、キラキラに輝く職人渾身のマスカット大福です。
さらに往路では、食を味わうだけでなく和菓子の文化も一緒に体験してもらうため、事前申し込みの参加者対象に「大福づくり体験」が行われました。体験車両に用意されたのは、中西さんが朝から仕込んだ求肥と白あんと大粒のマスカット。まずは中西さんが参加者たちの前で、大福づくりの工程をひと通りデモンストレーション。白あんは薄く均一に、優しく広げてマスカットを包み込みます。続いて柔らかい求肥をその上からまとわせ、丸く整えたら完成。マスカットの弾ける果汁にみずみずしい甘さ。白あんの甘さと求肥の食感がアクセントになった贅沢な季節のスイーツ。自分で包んだ作り立てをいただきました。
河内長野市長も登場!お楽しみは“萌え断”フルーツサンド
折り返しの林間田園都市駅では、約15分間の休憩タイム。停車時間を利用して参加者たちは、ヘッドマークを装着した先頭車両と並んで記念撮影をしたり、車内吊りの装飾を鑑賞したり。今回、車内吊りは日本書芸院によるアートな揮毫(きごう)。泉州と南河内の豊かな産品を題材に、文字や書画を車内吊りにしました。食と書が織りなす新たな文化体験です。
思い思いの自由時間はあっという間に過ぎ、旅は後半。復路は林間田園都市駅から途中、白鷺駅での一時停車があってなんば駅へ。ここからは沿線案内人として、河内長野市の西野修平市長が車掌ブースに入り、車内アナウンスで南河内の魅力をPRしました。
復路で提供されるのは、西野市長からもご案内のあった創業75年の老舗果物専門店が手がける「フルーツギフト&デザートカフェ ツルザワ」のフルーツティーと、青果にしだが運営するカフェ「はつが野テラス」のデザートBOXです。お持ち帰りできるクリアボトルのフルーツティーには、柑橘系を中心に季節のフルーツがどっさり。加糖なしの天然の甘味で、ひと口ごとに果物のフレーバーに癒されます。お楽しみデザートBOXは、カラフルな“萌え断” としてSNSでも話題のフルーツサンド。地元のイチジクとマスカットを使い、断面にときめきながら、甘すぎず軽やかな味わいで美味しい余韻が楽しめました。
ゆるキャラ登場に大興奮!笑顔と元気をもらえる癒しの旅
お楽しみは続き、一時停車の白鷺駅ではサプライズのおもてなしが待っていました。ホームから手を振るのは、河内長野市のゆるキャラ「モックル」と、つぼ装束を身にまとった中世びと。西野市長もここで下車し、みんなで一緒にホームから参加者たちをお見送りしました。1両目から6両目まで、車窓越しに手を振ってご挨拶。ゆるゆる動くモックルの可愛いしぐさに、老若男女問わず参加者たちは、声をあげて大興奮。シャッターチャンスとばかりにスマホを構えていました。賑やかに注目を集める光景も、列車旅の楽しい思い出です。
あまもん列車は白鷺駅を出発し、ゴール地点のなんば駅へ。車窓からの眺めはいつもの街並みに近づきつつも、車内にはゆったりとした時間が流れています。車内アナウンスとともに、旅を締めくくるご挨拶。大阪商工会議所の鳥井信吾会頭が登場しました。「ご乗車ありがとうございました。フルーツたっぷりの美味しい旅はいかがでしたか。泉州・南河内のグレーターミナミには、ほかにも海の幸や山の幸がいっぱい。ぜひ現地へも足をお運びください!」列車はなんば駅に到着し、参加者たちは「楽しかった」、「また次に期待」と口々に話しながら降車。笑顔が絶えないスイーツ旅に、みんな大満足の様子でした。
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