住吉大社は、全国に約2,300社ある住吉神社の総本社です。格式高い由緒深い神社でありながら、地元大阪では“すみよっさん”と呼ばれ、古くから愛されてきました。今でも年初には230万人以上の参詣者が訪れることが、それを物語っています。

また、住吉大社は大阪随一のパワースポットとしても有名で、境内には見どころが盛りだくさん。足を運んだ際に見逃すことがないよう、住吉大社の魅力を確認しておきましょう。

住吉大社の見どころは、何と言っても「本殿」でしょう。住吉大社の本殿は、すべて大阪湾がある西を向く第一本宮から第四本宮までの4つの本宮で構成されています。

全国的にも珍しいのが、その配置。第一本宮から第三本宮が縦に直列し、第四本宮が第三本宮の横に並列しています。独特の配列は、大海原をゆく船団のようだと例えられ、他の神社ではお目にかかることができません。

なお、お参りの際は、第一本宮から第二本宮、第三本宮から第四本宮へ順番にめぐるのがおすすめです。

住吉大社の本殿は「住吉造」と称され、神社建築史上最古の様式の一つといわれています。4つの本宮は、いずれも国宝に指定。とても貴重な建築物なのです。

檜皮葺 (ひわだぶき)の屋根は直線的で、棟の両側に流れる2つの斜面は書物を開いたようにも見えるから不思議。柱は朱(丹)塗りで、板壁は白色の胡粉 (ごふん) 塗りと、はっきりとした色使いが厳かな境内に鮮明に際立っています。

住吉大社と言えば「反橋」を思い浮かべる方も多いことでしょう。反橋は、住吉大社を象徴する橋です。通称「太鼓橋」と呼ばれるのは、朱の欄干が水面に反射して映ると円のようになり、まるで太鼓みたいに見えるため。ぜひ、横からの反橋も眺めてみてください。

渡るだけで「おはらい」になるとの信仰もある反橋ですが、その最大傾斜は約48度。足元に注意して、気を付けて渡りましょう。

住吉大社の中でも最も神聖な場所として崇められているのが「五所御前」。約1800年前、住吉大神鎮座の際に社地を探していた神功皇后が、この木に三羽の鷺がとまったことから最初にお祀りした場所と伝えられています。

この五所御前では、体力・智力・財力・福力・寿力の5つの力（五大力）を授かれるとされており、住吉大社内のパワースポットでも特に人気。五大力を得るには、五所御前の杉樹の根元から「五」「大」「力」と書かれた小石を1つずつ探し出し、3個1組でお守りにしなければなりません。500円で授与されている専用の袋に入れて肌身離さず持っていれば、心願成就するといわれています。

住吉大社は、日本の昔話「一寸法師」に縁があるのをご存知でしょうか？種貸社(たねかししゃ)の手水舎には、勇ましい一寸法師の姿が……！実は、一寸法師は住吉大神の申し子だったと言われています。

昔話に登場するおじいさんとおばあさんが「子どもを授けてください」とお願いしたのが、住吉大社だったそう。種貸社にある「一寸法師のお椀」には、一寸法師になった気分で乗って記念撮影もできます。

緑豊かな境内の東側にある楠の木は、なんと樹齢1000年！大きく枝を広げ、葉を繁らせている楠珺社の御神木です。見上げれば、その雄大さに感銘を受けることでしょう。

この地に佇んできた悠久の歴史と神秘的な力を感じずにはいられません。深呼吸をして、心静かにお参りしましょう。

国宝の本殿をはじめ、反橋や五所御前、一寸法師のお椀や御神木の楠の木など、住吉大社の境内は見どころが満載です。住吉大社を訪れた際は、見どころを余すことなく押えておきましょう。きっと、たくさんのパワーをいただけるはずです。